2012年1月26日木曜日

過去作について思うこと・・・

自分の作品を見返してみると、ここ「取手」を忠実に写実してるよな、と感じます。「取手」にこだわったというより、そのころ、そもそも自分が読みたいと思うマンガがないな、と思っていて、マンガの描く世界ってなんせリアリティーが感じられなくて、わたしにとっては共感できないものがほとんどでした。わたしはマンガは思うところがあって描いてはいたのですが、ほとんど読まない人でした。それで、せめて自分の納得するものをつくりたいものだと思っていたのです。映画と同じぐらいのディティールで、臭いとか気温とか光とかそういうものを感じるようなものをつくろうとしていたのです。そうしたら、「ああ、この風景は知っている。」とか「この季節のこの空の色は、そんなだよね」とかそういうものを描こうと思ったら、写実的に描くのが一番近道でした。そもそも、自分は絵を描いていて、風景の色や肌の色を出すことに没頭していました。自分は美しいものが好きなのです。
「郊外都市」である「取手」を意識していなかったわけではなかったのですが、自分にとって大事なのは「リアリティー」でした。自分の通ってきた場所や社会や環境が「郊外都市」が中心にある、ということで、それは自分が選択したわけではないのですが、リアリティーのある作品をつくろうとおもったら、そこのところは考えざるを得なかったのだったと。結果的に「取手」を写実する作品群ができたんですね。

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